平成28年度税制改正大綱 個人にまつわるもの

平成27年12月16日、税制改正大綱が公表されました。今日は、個人にまつわるところを搔い摘んでみます。
平成28年度税制改正大綱
目次
全体の雑感
今回の税制改正大綱のメインは消費税の複数税率導入です。大枠で決まっただけですが、税率の線引き等、これからどのようになるのか引き続き要注目です。その他の項目は、個人や中小企業等にはあまり大きな影響はなさそうな印象です。
本日は個人にまつわる項目をピックアップします。制度の大枠の紹介を優先していますので、正確性がたりない箇所もあるかと思います。ご了承ください。
個人にまつわる主な項目
消費税の税率変更、軽減税率の適用(消費税)
平成29年4月から消費税率が8%から10%へと変更されます。
これに伴い”痛税”感を和らげるため、①酒類及び外食を除く飲食料品②定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞については、軽減税率8%が適用されます。
消費税については論点が多いので、後日別途記事を書きます。
医療費控除の特例措置(所得税)
『セルフメディケーション(自主服薬)推進のためのスイッチOTC薬控除』という日本語としてさっぱりわけのわからない名称がついています。
かいつまんで言うと、一定の検診等を受けている者の一定の市販薬の購入金額が年間1万2000円を超える場合、8万8000円を限度として税額控除を認めます、ということです。なお、この制度の適用を受ける場合、従前からの医療費控除の適用はありません。(どちらかの選択適用)
適用時期は、平成29年1月1日〜平成33年12月31日までの各年です。
住宅の三世代同居改築工事等に係る特例(所得税)
個人が所有する住宅を三世代同居するために改修工事をおこない、平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住した場合、以下のいづれかの税額控除を受けられます。
・改修工事費用の借り入れ残高(250万円が上限) x 2% (5年間適用)
・標準的な費用相当額(250万円) x 10% (その年のみ適用)
子育て支援の一環として、三世代同居のためのリフォームについては所得税をおまけします、という制度です。条件が合えば適用を忘れずに、といった感じでしょうか。
結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置の拡充(贈与税)
親や祖父母から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、その対象となる不妊治療に要する費用に薬局に支払われるものが含まれます。
少子対策の一環で非課税の項目が追加されました。
空き家に係る譲渡所得の特例(所得税)
相続した一定の居住用不動産を、一定の期間内に、①耐震リフォームして土地・家屋を売却、または、②更地にして土地を売却した場合、譲渡益から3000万円を控除できることができます。
空き家対策の一環の優遇措置ですね。これも適用できるならば忘れずに、という感じでしょうか。
その他
上記の他、例えば以下のようなものがあります。
・寄附金の領収書が電子メールで受け取ったものでも認められる
・NISA口座開設手続きの簡素化
・通勤手当の非課税限度額の引き上げ(現行10万円→15万円)
・自動車取得税の廃止と環境性能割の導入
・国税のクレジットカードによる納付
むすび
本日は個人にまつわるものを取り上げました。やはり、消費税の影響が一番大きいです。
ピックアップした中では、医療費控除の特例措置は適用可能な人が多いように思います。どのような検診等が必要か、どのこまでの市販薬が対象か、現時点では不明な点も多いですが。医療費控除と同様に確定申告が必要になるでしょうから、手間と還付額とで相談することになるんでしょうね。
Today’s Word(No.32)
<Noun>
an amount of money that you must pay to the government according to your income, property, goods etc and that is used to pay for public services.
何という言葉を説明しているのでしょうか。答えは【編集後記】の下。
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【編集後記】
昨日は、用事があり税務署と年金事務所へ。久しぶりに行きましたが、お役所感が満載でした。
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【Today’s Word】
A : tax
税制改正は”tax reform”。ちなみに大綱にも住宅のリフォームとありますが、”リフォーム”は和製英語。英語ならば”renovation”でしょうか。
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