平成28年度税制改正大綱 消費税の軽減税率について

平成27年12月16日、税制改正大綱が公表されました。今回は消費税の軽減税率についてです。
平成28年度税制改正大綱
目次
軽減税率の対象
平成29年4月から消費税率は8%から10%に変更されます。これに伴い、以下の項目については消費税の軽減税率(8%)が適用されます。
①酒類および外食を除く飲食料品
②定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞
酒類および外食を除く飲食料品とは
対象となる飲食料品を見てみます。大綱では次のように表現されています。
(1)飲食料品の譲渡(食品衛生法上の飲食店営業、喫茶店営業その他の食事の提 供を行う事業を営む事業者が、一定の飲食設備のある場所等において行う食事 の提供を除く。)
(注1)上記の「飲食料品」とは、食品表示法に規定する食品(酒税法に規定す る酒類を除く。)をいう。
(注2)飲食料品と飲食料品以外の資産が一体となっている資産については、飲 食料品に該当しない。ただし、一定金額以下の少額の資産であって、当該資産の主たる部分が飲食料品から構成されているものについては、その全体を飲食料品として軽減税率の対象とする。
飲食料品から、カッコ書きで『外食』を、(注1)で『酒類』を、対象から除外しています。また(注2)は、いわゆる、食玩(フィギュア付のお菓子とか)のことを指しています。(『一定金額以下』等の詳細は現状よくわかりません)
『酒類』はさておき、『外食』の線引きがこれからの課題となります。現状(12/16/2015)、わかるところでその取り扱いを見てみましょう。
そば屋、中華料理店等の場合
いちばんシンプルなケース。店で食事をすれば10%、出前ならば8%です。宅配ピザ等も出前と同じですから8%です。
牛丼、ハンバーガー等のファーストフード店の場合
「店がテーブルや椅子などを備え、そこで食事を提供する」ならば、外食とみなされます。牛丼やハンバーガー等のファーストフード店では、お持ち帰りなら8%、店内で食べれば10%となります。
コンビニの場合
コンビニの場合、お持ち帰りでも、コンビニ内にあるイートイン・スペースでお弁当やおにぎり等を食べる場合でも、基本的には8%の税率が適用されるようです。
フードコートの場合
ショッピングセンター等にあるフードコートにもイートイン・スペースがありますが、その取り扱いはコンビニとは異なる模様。
包装されず返却の必要な食器に盛られたり、トレーに載せて座席まで運んだりする場合は外食に分類されるため、税率は10%となります。
ただし、これに該当しないもの(例えば、持ち帰れるソフトクリーム)は、税率8%が適用されます。
「持ち帰り」と言って「店等」で食事をしたらどうなるか?
例えば、「テイクアウトのハンバーガーを店舗で食べたら税率はどうなるか?」「持ち帰りの焼きそばをフードコートのイートインスペースで食べたら税率はどうなるか?」などの問題が想定されます。
持ち帰りだと8%ですが、店やフードコートで食事をすれば10%です。上記の例の場合、2%の差額が生じるため、はじめから10%を払って食事する人と比べると不公平になります。
この辺はまだ詰まっていません。追々、Q&Aみたいな形でその取り扱いが明示されることと思います。でも、これって法律での線引きはむずかしいですね。性善説に頼るしかないような気が。
定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞とは
次は対象となる新聞を見てみます。大綱では次のように表現されています。
定期購読契約が締結された新聞(一定の題号を用い、政治、経済、社会、文 化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行される新聞に限る。) の譲渡
軽減税率の対象となるものは、定期購読、かつ、週2回以上発行される新聞、に限定されています。
なお、上記以外の新聞(例えば、週1回発行など)、駅やコンビニ等で購入した新聞、雑誌等は、軽減税率の対象外で10%となります。
むすび
消費税の軽減税率については、大枠が決まっただけで、細かなところは今後決定していくことになります。軽減税率導入は平成29年4月からということですが、事業者のシステム対応等を考えると、なるべく早い時期に詳細まで決定する必要があります。(はたして間に合うのでしょうか?)
また軽減税率導入を契機にしてインボイス方式が採用されます。インボイス方式や経理方法についてはまた近々に記事を書きたいと思います。
Today’s Word(No.34)
<Noun>
the amount of energy, oil, electricity etc that is used.
何という言葉を説明しているのでしょうか。答えは【編集後記】の下。
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【編集後記】
先週末からやけに寒いです。それもあってか、コーヒーよりチャイが美味しいこの頃です。
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【Today’s Word】
A : consumption
消費税は”consumption tax”です。欧州で消費税に対応する税金は、VAT “value added tax”(付加価値税)です。
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